イベントは、何かを残せるのか?

アール・マテリアル・プロジェクト。
次にやる時はもう少し外へと拡げたいね、と
このタイトルになってから2回の会場にしていた
フーリゴ(Shed)の成田君たちとも話していた。

今回は初めての政令指定でもない「地方都市」だ。
でも、空間のパワーや、地場産のバックボーン、
色んなファクターが揃っていて、時も来ていると思う。
自分自身がその場から近くにいながら、
素材という宝の山もあるとは知っていながら、
あらためて発見した感動が、確信の支柱になっている。

ないところから組み立てるのを久々に自発でやることになり、
すべてやれないのはわかっていても、
キャパ越え寸前まで思いつき続けてるだろう。
そして冷静に、ではあるが、想いを力説しているとやはり、
気持ちやアイディアが、だんだん伝染して強く大きくなってゆく。
オトナどうしのノリがヒートアップしてきたおかげか、
ずいぶん大げさになっていくのがおもしろおかしい。

1992年のデザイン博3th アートバザールに始まり、
クリエーターズマーケット(10回目まで)、
さくらアパートメント、
テレビ塔のパークギャラリーなど、
イベントでもショップでも、まっさらの場所に完成形は見えていた。

地方の小さなレトロビルいっぱいに充満するであろう、
あの熱量が見えてくるからやるのである。
次の展開や色々な意図が、まだすべての人には見えなくても、
誰かの人生が、少しづつ変わるはず。

私はおおぜいで集まるのはあまり好きじゃない。
おおぜいが、ただ人のカタマリなら好きじゃない。
でも、
誰もが何かしらこの場への想いを抱きかかえて集まるなら、
それはすごい化学変化を産むことになる。

イベントは同じ空気を体感したひとりひとりの、
そういう化学変化のキッカケでありたいと思う。
眠っていた新しいことの芽が吹くような、
なにかせずにはいられない衝撃のようなものでありたいと思う。

ああ楽しかった、で終わってしまうのなら自分でやる必要はない。

稀温

稀温(キオンステューディオ代表)学生時代から衣装制作、販促企画などの活動を開始。流通と外食勤企業務を経て1991年よりフリー。衣食住のコーディネート、撮影やスタイリングなどを経て、名古屋を中心に大小のイベントや店舗など「場をつくる」プロジェクトに関わる。2016年より尾州のレトロビル「リテイル」で「アール・マテリアル・プロジェクト」を常設化する。