最初にさくらアパートメントで「マテリアルショップ」を展開したきっかけは、自分が衣装家になるちょっと前の経験。服飾の学生時代にバンド活動する友人のため毎月5人分の衣装をつま先からアタマまであつらえていた。
ボリュームあるドレスやフリルがてんこもりのティシャツを作ってたが、みんなお金ないので、予算はひとり数千円。目をつけたのが、ご近所のスカート工場の裁断室の片隅にうず高く積まれた端切れ。ゼリー用アルミカップをトンカチで叩くと金のバラの花に見えたのでスカートのモチーフにしたり。おかげさまでずいぶん助かったけど、それだけじゃなくてやってて楽しかったの。ゴミのような運命だった素材を活かせることが。輪廻する素材のゆくえを、ほかのみんながどう活かすか、美しく使うかを見たいと思ってる。