子供のころの楽しみと言えば毎日のおやつ。
母が買ってきたものが茶箪笥に入っているか、
手作りのお菓子が冷蔵庫やテーブルでスタンバっていた。
お小遣いで好きなもの買う友達がいいなあと思うこともあったけど、
蒸したてのプリンとかはもう、やったぁ〜!の気分。
小学生のある日、大雪が降ったので友達が集まり
庭先で「かまくら」作りに挑戦したことがあった。
台所からの母のおやつコールをもらうと、
おもちを揚げてアラレが山盛りできあがっていた。
そりゃ全員大歓声である。
子供にノーとは言わせない強くて怖い母。
サバサバして合理的、一刀両断のドライな母。
でも愛しているし、愛されている。
おやつの記憶がそう信じさせてくれている。